米海洋大気庁がAI気象モデルを本番運用に入れた。計算資源は従来の0.3%
米海洋大気庁(NOAA)が、AIを用いた全球気象予測モデル群を本番運用に投入した。試験運用ではない。予報官が実際に使う系列に入っている。
3つのモデル
AIGFS — 従来の全球予報システム(GFS)に相当するAIモデル。大規模な気象場の多くで GFS を上回る予報スキルを示し、特に長いリードタイムでの熱帯低気圧の進路誤差が有意に減った。
AIGEFS — 31メンバーのアンサンブル。従来の GEFS と同等の予報スキルを、はるかに少ない計算資源で出す。予報スキルを 18〜24時間延伸した。
HGEFS — 物理ベースの GEFS 31メンバーと、AIベースの AIGEFS 31メンバーを合わせた62メンバーの「大アンサンブル」。主要な検証指標のほとんどで、GEFS と AIGEFS のどちらの単独よりも安定して上回る。 NOAA は、こうした物理とAIの混成アンサンブルを実運用に入れたのは世界初としている。
計算資源
AIGFS の16日予報は1回あたり従来 GFS の計算資源0.3%で、約40分で完了する。予報官が critical なデータを従来より早く受け取れる、というのが NOAA の説明である。
出発点は GraphCast
NOAA は Google DeepMind の GraphCast を初期の土台として使い、NOAA 自身の全球データ同化システム(GDAS)の解析でファインチューニングした。この追加学習によって、特に GFS ベースの初期値を使ったときの性能が改善したとしている。
弱点も書かれている
AIGFS v1.0 は、熱帯低気圧の強度予報が劣化する。進路は良くなったが強度は悪くなった、と発表文に明記されている。今後のバージョンで対応するとされている。HGEFS についても、ハリケーン強度予報の改善作業を続けているとある。
数字はすべて NOAA の発表に記載されているものである。