AIが選んだ30個の標的で、3年間ひとりも再発しなかった
Transgene と NEC が2026年9月2日、個別化がんワクチン TG4050 の第1相試験の結果を発表した。Nature Communications に掲載されている(DOI: 10.1038/s41467-026-76667-1)。
結果
| 結果 | |
|---|---|
| TG4050 投与群 | 16名全員が無病のまま |
| 対照群 | 16名中3名が再発 |
| 追跡期間の中央値 | 41か月 |
3年無病生存率が100%ということになる。第1相であり、各群16名という規模である点は押さえておく必要がある。
AIが何をしたのか
TG4050 は患者ごとに最大30個のネオアンチゲンをコードする。その選定に NEC のシステムが使われている。
グラフベースの関係学習などの独自AIと、自社のHLA結合および抗原提示のAIツールを含む独自の機械学習アルゴリズム
つまり AI が担っているのは、患者の腫瘍変異のうちどれを標的にするかの選定である。9月に扱った Merck / Moderna の第3相(機械学習が最大34個を選定)と同じ位置にある。
安全性については「想定外の所見なし」とされ、治療終了から1年後もネオアンチゲン特異的な CD8+ T 細胞の応答が持続していたと報告されている。
位置づけ
無作為化の第2相は登録が完了しており、トップラインの結果は2028年第1四半期の見込みである。
今年4月には Transgene と NEC Bio が、切除後の HPV 陰性頭頸部がんを対象とした開発を進めるライセンス契約を結んでいる。
第1相で16名という規模なので、ここから一般化できることは限られる。 読むべきは次の第2相の結果である。
数字はすべて発表に記載されているものである。